顧客納品計画をマニュアルでリリースする
説明
顧客納品計画には、計画情報と出荷情報という 2 つの異なる種類の情報があります。顧客契約の場合、ユーザーは、出荷の承認として考慮される納品計画の種類 (計画、納入指示、またはその両方) を定義します。残りの納品計画データ (出荷に使用されない場合) は、計画のために MRP に転送されるか、許容枠比較でのみ使用されます。出荷承認の契約設定によってこの動作が制御されます。
注釈:需要が生産計画によってインポートされている場合は、生産計画明細が削除されていたとしても、この計画情報は MRP では表示されません。
照合処理と同様、リリース処理でも、計画を以前の出荷情報と一致させることで、最終的な全体像において数量がスキップされたり重複したりしないようにする必要があります。自動化が目標ですが、自動リリース処理中に矛盾が発生するとエラー メッセージが表示され、リリースには手動による介入が必要になります。納品計画バージョン間の依存関係により、以前の納品計画がリリースされるまで新しい納品計画を処理することはできません。
顧客納品計画契約の品目パラメータ [納入開始点] は、新しい顧客納品計画をリリースすることによって生じる処理を決定します。
- 納入開始点 = 受注オーダー明細:出荷承認として使用される納品計画は、顧客契約品目に対して確立された注文の受注オーダー リリースとして書き込まれます。認識しておくべき重要な点は、新しい納品計画が到着すると、注文時に確立された以前の出荷情報が上書きされる可能性があるということです。したがって、まだ [払出済] 以前のステータスの顧客リリースはキャンセルされ、新しい情報に置き換えられます。納品計画や出荷情報は常に変動しています。
新しい受注オーダー明細を生成すると、受注オーダー リリース処理で自動出荷が有効化される場合もあります。自動出荷を可能にするには、オンデマンド需要の作成を使用します。これにより、納品計画がリリースされたときに新しい注文を作成、注文明細を追加することができます。納品計画リリース処理の一環として、オンデマンドで作成された注文もリリースされます。結果として、出荷が作成され、注文明細が自動的に接続されます。
- 納入開始点 = 顧客納品計画明細:照合予定数量が 0 より大きい出荷承認済みの納品計画明細により、出荷に使用可能な新しい明細 (供給元数量 = 照合予定数量) が作成されます。以前にリリースされた納品計画の出荷に使用可能な明細は削除されます。次のステップとして、すでに接続されているがまだ出荷されていない出荷情報明細の数量によって供給元数量を時系列順に減らすことにより、接続可能な供給元数量が計算されます。この処理によって、リリース例外が回避されます。
顧客納品計画が顧客契約相互参照情報と接続されている場合、同じ顧客、同じ納入先住所、異なる顧客の品目番号 (同じ期間に有効化)、および異なる顧客契約相互参照情報を含む複数の顧客納品計画をリリースできます。また、顧客納品計画が同じ顧客、同じ納入先住所、同じ顧客の品目番号 (同じ期間に有効化)、および異なる顧客契約相互参照情報で構成されている場合も、複数の顧客納品計画をリリースできます。ただし、顧客契約相互参照情報が同じである場合は、ユーザーは複数の顧客納品計画をリリースすることはできません。
納品計画リリース機能は、バックグラウンド処理として実行することも、オンライン実行することもできます。処理を自動的に実行するには、顧客納品計画契約で明記する必要があります。
注釈:承認者の使用がブロックされている場合でも、顧客納品計画をリリースできます。
前提条件
- 顧客納品計画が正常に承認されている必要があります。
- リリース機能は自動的に実行しない設定になっている必要があります。これは顧客納品計画契約に記載されます。
システムへの影響
- 以前の納品計画または納入指示が新しい納品計画と重複している場合、以前のデータは新しい納品計画によって上書きされます。
- 納品計画明細が受注オーダー明細に変換され、すでに引当と顧客への納入も済んでいる場合、納品計画明細のステータスは [リリース例外] となり、手動による介入が必要になります (納入開始点 = 受注オーダー明細)
- 納品計画明細が受注オーダーに変換されたがまだ引当されていない場合、以前の受注オーダー明細はキャンセルされ、現在の数量を示す新しい明細に置き換えられます (納入開始点 = 受注オーダー明細)
- すでに接続されている出荷は、以前の納品計画の情報に基づいてさらに処理できます。新しい納品計画情報に基づいて新しい出荷が作成されます。
- [購買オーダ情報を含む] オプションが [使用] に設定されており、納品計画明細に記載されている購買オーダー番号が顧客納品計画契約品目に接続された受注オーダーに記載されている購買オーダー番号と一致しない場合、顧客納品計画のステータスは [リリース例外] となります。